Mittwoch, 14. Juni 2017

唐宋千家聯珠詩格 3: 于済徳夫, 蔡正孫粹然 編[他] (和泉屋金右衛門等, 1900)

唐宋千家聯珠詩格 3: 于済徳夫, 蔡正孫粹然 編[他] (和泉屋金右衛門等, 1900)



暖気潜催次第春, 梅花已謝杏花新


 3・後聯有無字対。後聯以物比人物。後聯以物比物。四字畳字相貫。前三句畳字相貫。前二句二畳字

   聯珠詩格 3
      

     後聯有無字対格
       凉州曲   柳中庸
    関 山 萬 里 遠 征 人     関山 萬里 遠征の人
    一 望 家 山 涙 満 巾     一たび家山を望めば 涙巾に満つ
    青 海 城 頭 空 有 月     青海城頭 空く月有り
    黄 沙 磧 裏 本 無 塵     黄沙磧裏 本と塵無し
    「増注」関山は遵化県の西北30里に有り山は辺関に近く故に名又は楽府に関山月の曲が多い


        初月     温公
    四 月 清 和 雨 乍 晴     四月 清和 雨乍ち晴れ
    南 山 当 戸 転 分 明     南山 戸に当り 転た分明
    更 無 柳 絮 因 風 起     更に柳絮の風に因って起る無し
    惟 有 葵 花 向 日 傾     惟だ葵花の日に向かって傾く有り
    「増注」杜甫の詩に首夏猶清和乍は暫也

        東禅      后山
    東 阡 急 雨 未 成 泥     東阡の急雨 未だ泥を成さず
    度 密 穿 深 取 径 微     密を度り深きを穿て径を取ること微なり
    邂 逅 無 人 成 独 往     邂逅 人の独往を成す無し
    慇 懃 有 月 與 同 帰     慇懃に月の與に同じく帰る有り

          雪後        譚知柔
    晩 酔 扶 杖 過 別 村     晩酔 杖に助けられ別村を過ぐ
    数 家 残 雪 擁 籬 根     数家の残雪  籬根を擁す
    風 前 有 恨 梅 千 點     風前 恨有り 梅千點
    渓 上 無 人 月 一 痕     渓上 人無く 月一痕
    「増注」一聯対偶景を写すこと清麗



    後聯以物比人格(後聯物を以って人に比する格)

        酔後      劉商
    春 草 秋 風 老 此 身     春草 秋風 此の身を老す
    一 瓢 長 酔 任 家 貧     一瓢 長酔して家の貧に任す
    醒 来 還 愛 浮 蒲 草     醒来り 還た愛す 浮蒲の草
    漂 寄 官 河 不 属 人     官河に漂寄して 人に属せざるを

          贈別       杜牧
    多 情 恰 似 総 無 情     多情は 恰も総て情無きに似たり
    唯 覚 樽 前 笑 不 成     唯だ覚える 樽前の笑て成らざるを
    蝋 燭 有 心 還 惜 別     蝋燭 心あり還て別を惜しむ 
    替 人 垂 涙 到 天 明     人に替て涙を垂て 天明に到る
    「増注」所謂 物を托して興を與し最も工有りと為す。

          杏花        羅隠
    暖 気 潜 催 次 第 春     暖気 潜かに催して 次第に春なり
    梅 花 已 謝 杏 花 新     梅花 已に謝して 杏花新なり
    半 開 半 落 閑 園 裏     半開 半落 閑園の裏
    何 異 栄 枯 世 上 人     何ぞ栄枯世上の人に異ならん
    「増注」梅花の粧を添えて句絶。

          雪中観妓         王氏
    梁 王 宴 罷 下 瑶 台     梁王 宴罷て瑶台を下る
    窄 窄 紅 靴 歩 雪 来     窄窄たる 紅靴 雪に歩して来る
    恰 似 陽 春 三 月 暮     恰も 陽春三月の暮に似たり
    楊 花 飛 處 牡 丹 開     楊花 飛ぶ處 牡丹開く
    「増注」瑶台は雪を言う紅靴は妓を言う又楊花を以って牡丹を妓に状る



     後聯以物比物格(後聯物を以って物に比する格)

           夜雪         東坡
    石 泉 凍 合 竹 無 風     石泉 凍合して 竹に風無く
    夜 色 沈 沈 萬 境 空     夜色 沈沈として 萬境空し
    試 向 静 中 閑 側 耳     試に 静中に向かって 閑に耳を側れば
    隔 窓 撩 乱 撲 飛 蟲     窓を隔て撩乱して 飛蟲を撲つ
    「増注」此言は泉凍合して声無く竹は雪に壓て風無く夜色も雪色も相混して萬境倶に空
    唯窓を隔てる響きは飛蟲の之を撲つに声有るが如く耳み。

         方池           銭昭度
    東 道 主 人 心 匠 巧     東道の主人 心匠巧なり
    鑿 開 方 石 貯 漣 綺     方石を鑿開して 漣綺を貯う
    夜 深 因 被 寒 星 照     夜深て寒星に照さ被るるに因って
    恰 似 山 翁 一 局 棊     恰も山翁 一局の棊に似たり
    「増注」上の二句は実事下の二句は比喩寒星を以って碁子に比し
         方池を以って碁局に比す

          西湖値雨            劉後村
    山 入 煙 雲 半 有 無      山 煙雲に入り 半ば有無
    驀 然 風 雨 暗 平 湖      驀然たる 風雨 平湖にに暗し
    却 将 錦 様 鶯 花 地      却て 錦様 鶯花の地を将って
    変 作 元 暉 水 墨 図      変じて元暉 水墨の図と作す
    「増注」水墨を以って西湖雨景に比す真に逼ると謂う可き。元暉は宋人姓は米名は友仁



     四句畳字相貫格

           謝寄枕          邵康節
    荷 君 寄 我 逍 遥 枕      荷す君が 我に逍遥の枕を寄せるを
    恐 我 逍 遥 亦 未 超      恐らくは我れ 逍遥として亦た未だ超へず
    形 跡 逍 遥 未 為 至      形跡 逍遥 未だ至と為さず
    更 和 魂 夢 與 逍 遥      更に魂夢に和して 與に逍遥せん
    「増注」逍遥の妙物に在らず而我に在り跡に在らず而心に在り超然と道を楽しむ者
         に非ずんば此の趣は無し

           芭蕉            張横渠
    芭 蕉 心 尽 展 新 枝      芭蕉 心尽て 新枝を展ぶ
    新 巻 新 心 暗 已 随      新巻 新心 暗に已に随う
    願 学 新 心 長 新 徳      願くは新心を学びて 新徳を長じて
    旋 随 新 葉 起 新 知      旋 新葉に随い 新知を起こさん
    「増注」性理群書の注に此篇は物を借りて人心生生の理窮める無しと形容

            野外            蔡節齋
    松 裏 安 亭 松 作 門      松裏に亭を安じて 松を門と作す
    看 書 松 下 坐 松 根      書を松下に看て 松根に坐す
    閑 來 又 倚 松 陰 睡      閑來 又た松陰に倚て睡れば
    浙 瀝 松 声 繞 夢 魂      浙瀝たる松声 夢魂を繞る
    「増注」此の詩康節の風韻有り

          梅花             方秋崖
    有 梅 無 雪 不 精 神      梅有り雪無ければ 精神不らず
    有 雪 無 詩 俗 了 人      雪有り詩無ければ 人を俗了する
    薄 暮 詩 成 天 又 雪      薄暮 詩成りて 天又た雪ふる
    與 梅 併 作 十 分 春      梅と併せて 十分の春と作す
    「増注」梅雪詩三の者皆無くはべからず。
     薄暮は暮に近ずきに迫り沈約が詩に願わくば薄暮の景に乗ず併せては竝也兼也 

 

     前三句畳字相貫格

        偶題           朱文公
     歩 随 流 水 覓 渓 源      歩して流水に随い 渓源を覓む
     行 到 源 頭 却 惘 然      行て源頭に到り 却って惘然たり
     始 悟 真 源 行 不 到      始て悟る 真源は 行 到ら不るを
     倚 杖 随 処 弄 潺 湲      杖に倚り随処  潺湲を弄す
     「増注」此詩言う学道当に其の本を採るべし

          吉祥探花          蔡君謨
     花 未 全 開 月 未 圓      花未だ全開かず 月未だ圓ならず
     看 花 待 月 思 依 然      花を看て月を待ち 思い依然
     明 知 花 月 無 情 物      明に知る 花月 無情の物
     若 使 多 情 更 可 怜      若し多情なら使めば 更に怜むべし
     「増注」吉祥は寺名銭塘蕪湖県に在り花最盛なる処東坡が詩に吉祥寺中錦千堆

           静居         李宗易
     大 都 心 足 身 還 足       大都 心足て 身還て足る
     祇 恐 身 閑 心 未 閑       祇だ恐る身閑にして 心未だ閑ならざるを
     但 得 心 閑 随 処 楽       但だ心閑なることを得ば 処に随いて楽まん
     不 論 朝 市 與 雲 山       朝市 と雲山を論ぜず
     「増注」心一身の主と為り此れ区区と詩を言う者に非ず

           凭欄          蒙齋
     幾 度 凭 欄 約 夜 深       幾度か欄に凭り 夜深を約す
     夜 深 情 緒 不 如 今       夜深て 情緒 如今ならず
     如 今 強 倚 欄 干 立       如今 強て欄干に倚て立ば
     月 満 空 揩 霜 満 庭       月は空揩に満ち 霜は庭に満つ
     「増注」丙子兵後故蘆に帰り欄に凭り夜立ち感有り詩を賦す 

 

     前二句畳字相貫格
          寄楽天            元愼
     休 遣 玲 瓏 唱 我 辞       遣むることを休よ玲瓏に 我辞を唱るを 
     我 辞 多 是 寄 君 詩       我が辞 多くは是れ 君に寄せる詩
     明 朝 又 向 江 頭 別       明朝 又 江頭に向て別れは
     月 落 潮 平 是 去 時       月落ち潮平なる 是れ去る時

          賞牡丹           東坡
     人 老 簪 花 不 自 羞       人老て花を簪にして 自ら羞じず
     花 応 羞 上 老 人 頭       花は応に老人の頭に上ることを羞づ
     酔 帰 扶 路 人 争 笑       酔帰 路に扶られて 人争て笑う
     十 里 珠 簾 半 上 鈎       十里 珠簾 半ば鈎に上る
     「増注」言は花羞じて人羞じず意佳。

          惜春               東坡
     花 正 開 時 天 不 晴       花正に開く時 天晴れず
     晴 時 満 樹 緑 陰 成       晴るる時 満樹 緑陰成る
     欄 干 倚 遍 空 惆 悵       欄干に倚て遍し 空く惆悵す
     静 聴 黄 鴬 一 両 声       静に聴く 黄鴬の 一両声



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精刊唐宋千家聯珠詩格. 自1至4 : 于済徳夫, 蔡正孫粹然 編[他] (和泉屋金右衛門等, 1900)
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精選唐宋千家聯珠詩格20卷のイメージ
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精選唐宋千家聯珠詩格20卷. [1]
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精選唐宋千家聯珠詩格20卷 【全号まとめ】
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 石九鼎の漢詩館
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 石九鼎の漢詩館
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中山逍雀漢詩詞填詞詩余楹聯創作講座  :漢詩 詞 填詞 楹聯 創作講座
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漢詩詞創作の基本要件
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漢詩作法入門講座
http://kansi.info/kansyou/rensyu01001.html



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聯珠詩格. 巻之1-20 / 于済,蔡正孫 編集 ; 大窪天民 校訂
http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/i13/i13_01079/index.html



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